パナソニックのヒーターレス気化式加湿器には、大容量タイプとして「FE-KXF15(2010年発売)」と「FE-KXP20(2017年発売)」があります。
どちらもパナソニック公式で現行モデルとして掲載されている機種ですが、発売時期には7年の差があり、その世代差によって運転音や省エネ性能などに大きな違いが生まれています。
ですので、単純に横並びで比べるのはやや難しいモデル同士です。
それでも特徴を整理してみると、「コンパクトさのFE-KXF15」と「省エネ性や静音性が進化したFE-KXP20」という構図が見えてきます。
この記事では、発売時期の違いによる進化のポイントを踏まえながら、両モデルの違いと共通点を整理し、購入時にどちらを選ぶべきかをわかりやすく解説します。


FE-KXF15とFE-KXP20の違いを比較|共通点も整理して解説
それではFE-KXF15とFE-KXP20の違いと共通点を詳しくみていきましょう。
どちらもパナソニックの大容量タイプとして設計されている点は共通しています。
ただし、対応畳数や運転モード、タンク容量などに大きな違いがあり、運転音や目安となる電気代には発売時期の差による進化が表れています。
FE-KXF15とFE-KXP20の主な違い
違いについては細かい点が多数ありますが、ここでは両モデルを選ぶ際に基準となる主な違いを整理して比較していきます。
まず最大の違いは加湿できる対応畳数で、これがモデルを選ぶ際の大きな判断基準になります。
対応畳数の比較表
モデル | プレハブ洋室 | 木造和室 |
---|---|---|
FE-KXF15 | ~42畳(約69㎡) | ~25畳(約42㎡) |
FE-KXP20 | ~56畳(約92㎡) | ~34畳(約56㎡) |
どちらも大容量タイプですが、設置スペースの条件によって選択肢が分かれます
次に、両モデルを検討するうえで確認しておきたい違いを3つ整理します。
- 運転モードの種類
- 運転音と電気代の目安
- FE-KXF15:
- 強 約45dB・約350円
- 中 約35dB・約134円
- 弱 約29dB・約91円
- FE-KXP20:
- 強 約40dB・約240円
- 中 約34dB・約134円
- 弱 約25dB・約60円
- FE-KXF15:
- サイズと重量
- FE-KXF15:
- サイズ:高さ445×幅350×奥行410mm
- 重さ:約9.8kg
- FE-KXP20:
- サイズ:高さ700×幅560×奥行280mm(+脚部25mm)
- 重さ:約16.1kg
- FE-KXF15:
運転モードは搭載数、種類共に別なので、お目当てのモードがある場合はチェックが必要です。
なお、後に発売されたFE-KXP20は広い加湿範囲に対応できる仕様ですが、公式スペック上はFE-KXF15よりも運転音が小さく、電気代の目安も低く抑えられています。
特にランニングコストを重視する方にとっては注目すべき違いといえるでしょう。
また、FE-KXP20を選ぶ場合は大型で重量もあるため、設置スペースに余裕があるかどうかを事前に確認しておくことが推奨されます。
FE-KXF15とFE-KXP20の共通点
FE-KXF15とFE-KXP20は発売時期に差はあるものの、同じパナソニックの大容量モデルの加湿器として、共通する特徴もあります。
- ヒーターレス気化式
- ヒーターを使わずに気化方式で加湿するため、省エネ性が高い
- 吹き出し口が熱くならないので安全性も高い
- ナノイー搭載
- どちらのモデルもナノイーを搭載
- 加湿とあわせて空気環境をケアできます(パナソニック公式による説明)
- 連続加湿時間は約6時間
- タンク容量に差はあるものの、どちらも約6時間の連続運転が可能
- 便利な共通機能
- 湿度表示、切タイマー、チャイルドロック、転倒スイッチといった日常で役立つ機能はいずれも搭載されています
- 加湿フィルターは約10年交換不要
- 交換の手間を抑えつつ長く使える設計になっています
FE-KXF15とFE-KXP20の違いから見るおすすめの選び方
FE-KXF15とFE-KXP20の選び方は、まずは加湿したい部屋の広さ=対応畳数を基準にするのが基本です。
対応畳数の違いが大きいため、使用する部屋が広い場合はFE-KXP20、小さめのスペースならFE-KXF15という形でおおよその方向性は決まります。
そのうえで、どちらのモデルでも対応可能なケースでは、運転モード・静音性や電気代の目安・サイズや重量といった違いを比較して選ぶのがおすすめです。
FE-KXF15とFE-KXP20の運転モードの違いで選ぶ
FE-KXF15とFE-KXP20では、自動運転モードの種類が異なります。
そのため、お目当てのモードがあるかどうかを事前にチェックしておきましょう。
FE-KXP20の運転モード
- たっぷりモード
- 湿度約60〜65%を目安に自動運転
- おまかせモード
- 湿度約60%を目安に自動運転
- 静かモード
- 湿度約40%を目安に「弱」以下で自動運転
たっぷり・おまかせ・静かの3つの自動運転を搭載。
画像出典:パナソニック公式サイト「FE-KXP20/FE-KXP23 取扱説明書」より引用
FE-KXF15の運転モード
- のど・肌モード
- 最初の4時間は湿度約65%を目安に加湿
- その後は約60〜65%を保つように自動運転
- おまかせモード
- 湿度約60%を目安に自動運転
おまかせ運転は湿度約60%、のど・肌運転は約60〜65%を目安に制御。
画像出典:パナソニック公式サイト「FE-KXF15 取扱説明書」より引用
「のど・肌モード」と「たっぷりモード」は呼び方が違うだけで、湿度の目安は同じ(約60〜65%)です。
「おまかせモード」も共に湿度の目安は同じ(約60%)です。
したがって実質的な違いは、FE-KXP20に搭載されている「静かモード」です。
通常の運転音もFE-KXP20の方が小さいため、静かな環境で使いたい方にはFE-KXP20がおすすめといえます。

FE-KXF15とFE-KXP20のランニングコストの違いで選ぶ
公式スペック上では、FE-KXP20の方が消費電力を抑えられており、1か月あたりの電気代の目安が安くなっています。
広い加湿範囲に対応できるにもかかわらず、省エネ性が高いのが特徴です。
電気代の目安(月あたり)
型番 | FE-KXF15 | FE-KXP20 |
---|---|---|
強 | 約350円 | 約240円 |
中 | 約134円 | 約134円 |
弱 | 約91円 | 約60円 |
電気代の違いは、長期的に使用するほど 無視できない差となります。
ランニングコストを重視する場合は、FE-KXP20がおすすめです。

FE-KXF15とFE-KXP20のサイズや重量の違いで選ぶ
FE-KXF15はコンパクトで軽量、FE-KXP20は大型で重量があります。
サイズと重量の比較
型番 | FE-KXF15 | FE-KXP20 |
---|---|---|
高さ | 445mm | 700mm |
幅 | 350mm | 560mm |
奥行き | 410mm | 280mm(+25mm) |
重量 | 約9.8kg | 約16.1kg |
数値で比較すると、高さは約25cm、幅は約21cm、重量は約7kgの差があります。
FE-KXP20は全体的に大きく重いため、設置場所に十分なスペースがあるか、持ち運びの負担にならないかを事前に確認しておくことが大切です。
「置き場所に余裕がない」「なるべく軽い方がいい」という場合はFE-KXF15を選んだ方が無難です。

FE-KXF15とFE-KXP20の違いをスペック表で比較|対応畳数から機能・サイズまで
ここまででFE-KXF15とFE-KXP20の主な違いは整理しましたが、「さらに詳しいスペックを数字で比較したい」という方のために、両モデルの詳細仕様を一覧表にまとめました。
パナソニックの大容量加湿器としての特徴を、対応畳数や運転音、電気代の目安はもちろん、運転モードや付加機能、本体サイズや重量、発売時期や公式参考価格まで網羅しています。
FE-KXF15とFE-KXP20の違いをより細かく確認したい方は、こちらのスペック表を購入前の検討材料としてご活用ください。
スペック比較表
型番 | FE-KXF15 | FE-KXP20 |
---|---|---|
カラー | ホワイト(-W) | |
デザイン | ![]() | ![]() |
連続加湿時間※1 | 約6時間 | |
タンク容量 | 約9L(4.5L×2個) | 約12L(6L×2個) |
運転切替 | 連続運転【弱、中、強】 | |
センサー自動運転【おまかせ・のど肌】 | センサー自動運転【たっぷり、おまかせ、静か】 | |
適用床面積※2 | ||
プレハブ洋室 | 42畳(69㎡) | 56畳(92㎡) |
木造和室 | 25畳(42㎡) | 34畳(56㎡) |
運転モード | ||
たっぷりモード | ×(なし) | 〇(搭載) |
静かモード | ×(なし) | 〇(搭載) |
のど・肌モード | 〇(搭載) | ×(なし) |
おまかせモード | 〇(搭載) | |
付加機能 | ||
ナノイー | 〇(搭載) | |
フィルター清潔モード | ×(なし) | 〇(搭載) |
湿度表示 | LED5段階 | |
切タイマー | 2・4時間 | 4・6・8時間 |
チャイルドロック | 〇(搭載) | |
お手入れランプ | ×(なし) | 〇 |
報知音※4 | 〇(搭載) | |
転倒スイッチ | 〇(搭載) | |
フィルター取付ランプ | ×(なし) | 〇 |
本体仕様 | ||
壁ピタ設置 | ×(非対応) | 〇(対応) |
約10年交換不要加湿フィルター※3 | 〇(対応) | |
イオン除菌ユニット | 〇(対応) | ×(非対応) |
除菌剤 | ×(非対応) | 〇 |
ハンドル付きタンク | ×(非対応) | 〇 |
ハンドル付きトレー | ×(非対応) | 〇 |
運転音 | ||
強 | 45dB | 40dB |
中 | 35dB | 34dB |
弱 | 29dB | 25dB |
1ヶ月の電気代(目安)※5 | ||
強 | 350円 | 約240円 |
中 | 134円 | 約134円 |
弱 | 91円 | 約60円 |
本体サイズ・重量 | ||
本体寸法 | 高さ445×幅350×奥行き410mm | 高さ700×幅560×奥行き280(+脚部25)mm |
本体重量(タンク空時) | 約9.8kg | 約16.1kg |
販売状況 | ||
発売日 | 2010年9月 | 2017年9月 |
参考価格(公式) | 75,570円(税込) | 76,800円(税込) |
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※1 連続加湿時間は、最大加湿能力時。
※2 適用面積の目安は、(一社)日本電機工業会規格(JEM1426)に基づき、プレハブ住宅洋室の場合を最大適用面積とし木造和室の場合を最小適用面積としたものです。ただし、壁・床の材質・部屋の構造・使用暖房器具等によって適用面積は異なります。
※3 加湿フィルター交換の目安は定格加湿能力に対し、加湿能力が約50%に落ちるまでの期間。1日8時間運転に基づきパナソニックで算出。ご使用状況によっては寿命が短くなることがあります。定期的にフィルターのお掃除が必要です。
※4 タンクの水がなくなると音でお知らせ
※5 電力料金目安単価31円/kWh【令和4年7月改訂】1か月の電気代は1日8時間運転×30日で計算
なお、パナソニックの現行加湿器6モデルをまとめて比較した記事もあります。
対応畳数・ナノイー機能・電気代・運転音を一覧で確認したい方は、あわせてご覧ください。
👉 パナソニックの加湿器の違いを徹底比較|対応畳数・ナノイー・電気代・運転音で選ぶ6モデル
FE-KXF15とFE-KXP20の違いに関するよくある質問【FAQ】
ここでは、FE-KXF15とFE-KXP20を検討する際の疑問をQ&A形式でまとめました。
ナノイー機能やフィルター交換の有無、電気代や運転音の違いなど、購入前に気になるポイントを簡潔に確認できます。
まとめ|FE-KXF15とFE-KXP20の違いを振り返って自分に合った1台を選ぼう
FE-KXF15とFE-KXP20は、どちらもパナソニックの大容量タイプ加湿器として設計されたモデルですが、発売時期に7年の差があり、スペックや機能に世代差があります。
なかでも 一番の違いは対応畳数 で、ここを基準に選ぶのが基本です。
FE-KXF15(2010年発売)
- プレハブ洋室42畳(69㎡)/木造和室25畳(42㎡)まで対応
- 比較的コンパクトで軽量

FE-KXP20(2017年発売)
- プレハブ洋室56畳(92㎡)/木造和室34畳(56㎡)まで対応
- FE-KXF15より一回り広い空間に対応でき、さらに静音性や省エネ性も進化
- 強運転時でも図書館レベル(目安)の静けさで運転
- 電気代も抑えられるのが魅力

どちらもナノイーを搭載しており、加湿しながら空気環境をケアできる点や、約10年交換不要のフィルターなど、基本的な利便性は共通しています。
そのため、選び方のポイントはまず 「部屋の広さに合っているか」 を確認することです。
そのうえで、設置スペースや重量に無理がないか、静音性やランニングコストをどこまで重視するかを考えれば、自分に合った1台を選びやすくなるでしょう。
今回は個別のモデルについて紹介しましたが、他にも選択肢となる製品があります。
全モデルの特徴を整理した比較記事も用意していますので、購入前にさらに検討したい方はこちらもチェックしてみてください。
👉 パナソニックの加湿器の違いを徹底比較|対応畳数・ナノイー・電気代・運転音で選ぶ6モデル
なお、ナノイー機能が不要でもう少し狭い空間で使いたい方は、以下の記事も参考にしてください。
本記事のスペックや価格情報は、2025年9月時点の情報です。
販売状況や仕様は変更となる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
参考元:
- Panasonic公式サイト「ヒーターレス気化式加湿機(大容量タイプ)FE-KXF15」
- Panasonic公式サイト「ヒーターレス気化式加湿機(大容量タイプ)FE-KXP20」
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